詩人高村純の日記です


by jtakamura95jp

プロとアマの境そのⅠ


将棋で、戦後初めてアマチュアがプロになった。

はて?プロになる前は誰でもアマチュアではないのか?
と思う人もいるかもしれないが、将棋のシステムはちょっと違う。

将棋でプロになるためには、「奨励会」というところに所属しなくてはならない。
全国のアマチュア大会で活躍できて、やっと入れるかどうか、
というところである。
しかも厳しい年齢制限があり、奨励会を勝ち抜かないと、
年齢で退会に追い込まれるというところである。

今回プロになったSさんも、一度奨励会を年齢制限で退会になり、
サラリーマンをしながらアマ大会に出て、アマも参加できるプロの棋戦で
プロ相手に17勝をあげ、
今回、「試験」として将棋連盟が選んだ6人のプロに3勝をあげ、
ようやくプロ棋士となった。
つまり、奨励会を経由しないプロは戦後初なのである。

しかし。これは果たして良かったのだろうか?
今回の「試験」で、プロ棋士がアマチュアに3人も負けたのである。
一人は元「女流名人」の現役である。
ちょっと待て、と言いたくもなる。

その昔、升田幸三という大棋士がいた。引退後この人が、
やはりアマチュアで、プロに連勝していた小池というアマチュアと、
角落ち(「角」という駒の無いハンデ戦)を戦った。
当然、角が無いハンデを負ったのは升田の方である。

結果は、升田圧勝であった。
それで、一部にあった「小池をプロへ」という話は一蹴され、
プロというものの権威が絶大になった。

「ナめちゃいけない。痩せても枯れてもワシはプロだ」
その時、升田が言った言葉である。
それが、プロ名乗るものの義務であり誇りであったはずだ。

今回負けた3人に、「負けたら引退しろ」くらい言える人はいないようだ。
勝ったアマと負けたプロが、対戦後に仲良くヘラヘラ笑って写っている写真があるが、
ただただ不快だ。

(そのⅡへ続く)
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by jtakamura95jp | 2005-12-09 15:44 | 詩の話